相続弁護士の選び方
相続弁護士の選ぶ基準のうち,知識面についてお伝えしていきます。
1 相続税,譲渡所得税に詳しい弁護士
相続事件については,多くの場合相続税が絡んできます。
相続の対象に不動産が含まれる場合は,その不動産の分割方法により,相続税の特例が適用できたり,できなかったりします。
特に,小規模宅地の特例の影響力は非常に大きく,(5000万円の不動産であれば1000万円で評価できることもあります),相続税が数百万円変わってくることも珍しくありません。
また,紛争が長期化するケースでは,未分割申告や,修正更正の請求に関する知識も重要になります。
さらに,不動産の売却が絡む場合には,譲渡所得課税の問題が出てきます。
ここでも,結論として不動産を売却する方向は同じでも,代償分割なのか,換価分割なのかにより特例の適用の有無が変わるケースがあります。
譲渡所得税の税率は長期保有の場合約20%ですので,3000万円の譲渡益が生じている場合には約600万円の税金がかかります。
特例の適用の有無により数百万円単位で税金が変わってきます。
相続税,譲渡所得税の知識が無い弁護士では,特例を考慮した遺産分割をできません。
相続に関する税法の知識があれば,皆さんが納得しやすいい分割方法の提案ができることも多くあり,遺産分割の代理人の選び方は非常に重要です。
2 不動産評価に詳しい弁護士
相続紛争において,不動産は必ずといっていいほど登場します。
不動産評価は合意ができなければ,最終的には不動産鑑定士が鑑定しますが,多くの場合は,双方が不動産評価を出し合い,交渉で決します。
その際に不動産評価に詳しい弁護士に依頼されていれば,相手の査定書の問題点を指摘する等,交渉で優位に立つことができます。
3 相続手続の実務に詳しい弁護士
遺産分割協議書,相続分譲渡証書,遺留分の合意書等,相続に関しては様々な種類の書類を作ります。
相続において作成する書類は,金融機関,登記,税務署等様々な機関で使用するために作成しますし,これらの機関との折衝も生じます。
相続手続実務に詳しい弁護士に依頼されますと,スムーズに手続も進みます。